日立製作所の上場子会社の日立金属が売却のニュースがありました。
かつては16社も日立製作所の上場子会社ですが、完全子会社と売却の選択と集中を繰り返し、日立金属と日立建機を残すのみとなりました。
個人的には明確な戦略がなければ上場子会社はどんどん廃止していくほうが望ましいと考えています。
直近の売却は、昭和電工が日立化成を9640億円でTOBを実施。長らく上場子会社の整理の話が浮上していたため買収価格は高く、高値掴みともいわれている一方で、売却サイドから見ると良いディールであると考えられています。
上場子会社の選択と集中
名称 | 戦略 | 完了日 | |
1 | 日立情報システムズ | 完全子会社化 | 2010年1月 |
2 | 日立ソフトウェアエンジニアリング | 完全子会社化 | 2010年1月 |
3 | 日立システムアンドサービス | 完全子会社化 | 2010年1月 |
4 | 日立プラントテクノロジー | 完全子会社化 | 2010年3月 |
5 | 日立マクセル | 完全子会社化 | 2010年3月 |
6 | 日立電線 | 日立金属へ吸収合併 | 2013年6月 |
7 | 日立メディコ | 完全子会社化 | 2014年2月 |
8 | 日立物流 | 売却:SGHD | 2016年5月 |
9 | 日立キャピタル | 売却:MUFG | 2016年10月 |
10 | 日立工機 | 売却:KKR | 2017年3月 |
11 | 日立国際電気 | 売却:KKR | 2018年3月 |
12 | クラリオン | 売却:フォルシア | 2019年3月 |
13 | 日立ハイテクノロジーズ | 完全子会社化 | 2020年5月 |
14 | 日立化成工業 | 売却:昭和電工 | 2020年6月 |
15 | 日立金属 | 売却検討中 | |
16 | 日立建機 |
上場子会社の運営の戦略だけでありませんが、結果として日立製作所の営業利益率や時価総額は10年前とは見違える数字となりました。
2009年3月期 | 2020年3月期 | |
売上高 | 10兆0003億円 | 8兆7672億円 |
営業利益率 | 1.27% | 7.55% |
最終損益 | ▲7873億円 | 875億円 |
時価総額 | 8842億円 | 3兆2823億円 |
中期経営計画
2019年に2019年から2021年の3年間の中期経営計画を発表しています。
●2021年までに売り上げを10兆円以上、営業利益率を10%超に引き上げ。
●低採算事業の売却の一方で、強みがあるエネルギーなどのインフラで稼ぎ、IoTへ重点投資の方針
おわりに
コロナでの変化によりM&Aが増えていくとみられていますが、業界再編により業績が上向きになれば自身の資産向上にもつながるので積極的に動いてほしいものです。